問題概要

問題文はこちらを参照してください。

詳細な解説を作問者の方が既に書かれているので、気になったところだけ書きます。

考察

  1. インディケータ確率変数

    求めたい期待値の確率変数を、期待値の線形性を使って$X\{2\}$などの和で表しています。この1つの数字について生き残れば1、生き残らなければ0という確率変数を定義することで、結局確率を求めればよいとなっています。このような確率変数はインディケータ確率変数という名前で参考書籍で紹介している「数学ガール 乱択アルゴリズム」の中に出てきます。

  2. 条件付き確率

    「2 によって消されない」かつ「3 によって消されない」かつ「4 によって消されない」確率の説明の部分が直感的にわかりませんでした。

    「2 によって消されない」を事象$A$、「3 によって消されない」を事象$B$、「4 によって消されない」を事象$C$とすると、求める確率は$\Pr\{A\cap B\cap C\}$です。ここで条件付確率の乗法定理によって次のようになります。

    $$\Pr\{A\cap B\cap C\}=\Pr\{A\}\cdot\Pr\{B|A\}\cdot\Pr\{C|A\cap B\}$$

    事象$A$と事象$C$が独立ではないので、ちょっとややこしくなっています。$\Pr\{A\}=1-p$、事象$A$と事象$B$は独立なので$\Pr\{B|A\}=\Pr\{B\}=1-p$となります。$\Pr\{C|A\cap B\}$は、事象$A$、$B$が起こったという条件の下での事象$C$(4によって消されない)の確率なので、これも単純に$1-p$になります(事象$A$の2によって消されていないのは前提なので)。

    ということで、結局1と自分自身を除いた約数の個数分$1-p$をかけたものが求める確率です。

    条件付き確率を持ち出したことで余計わかりにくくなった気もするのですが、なかなか直感的に理解できない部分なので、こういうところまで考えないとなんかもやもやが残ります。

    確率変数についても、これを持ち出すと難しく見えますが、実はとても素晴らしい概念だと思います。高校数学の時には全然理解できていませんでしたが、確率変数の概念はおすすめです。